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教員情報(KATO Yoshiko)
氏名・職名 |
加藤 佳子(かとう よしこ,KATO Yoshiko)教授 |
メールアドレス |
ykatou [at] crystal.kobe-u.ac.jp |
取得学位 |
博士 (教育学) (広島大学) |
研究分野 |
健康教育,健康心理学 |
[学部] 所属 |
人間行動学科 健康発達論コース |
研究テーマ |
生活科学と心理学の学際領域をベースとし,食行動など日常生活における健康に関連する人の行動について探究し,健康の増進をめざしています。
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[大学院] 所属 |
[博士課程前期課程] 人間発達専攻 こころ系講座, 1年履修コース
[博士#091;博士課程後期課程] 人間発達専攻 こころ系講座
[(旧)#091;博士課獚士課程前期課程] 心身発達専攻 健康発達論コース
[(旧)#091;(旧)博士課程後期課程] 心身発達専攻 健康発達論分野 |
研究テーマ |
心や体の健康に関する人の行動を探り,健康行動の獲得に関連する要因について解明し,HR-QOLとWell-beingの向上を目指しています。
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研究者情報 |
神戸大学研究者紹介(KUID) |
教員サイト |
教員のウェブサイト |
研究室紹介 |
生活科学と行動科学の融合から,健康の維持増進にアプローチ
食生活や休養,運動などの生活習慣は,健康と深い関連があります。そして,健康を維持増進していくためには,生活習慣の改善が重要です。生活に関する知識や技術を得ることは,生活習慣の改善に役立ちます。その反面,わかっていてもよい生活習慣を実行出来ないこともよくあります。いったん身についた生活習慣を変えることは,容易ではありません。
自己受容感や動機づけ,性格特性,ソーシャルサポートなどの心理的,社会的要因が健康行動と深いつながりがあることが明らかにされてきています。そして,生活習慣を改善するためには,個人の行動や社会的環境についてもみていくことが必要であるとする考え方が,健康教育や健康政策の実践においても展開され始めています。
研究室では,生活科学と行動科学を融合させた立場から健康行動に関連する要因について検討し,HR-QOLやWell- beingの向上,健康の維持増進に役立つ研究をめざしています。
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研究最前線 |
理論的な枠組みから健康行動の実践をとらえる
疾病の一次予防について考えるとき,疾病生成モデルと健康生成モデルという概念があります。疾病生成モデルとは,疾病の機序を明らかにし予防接種などにより疾病を予防しようとする考え方で,疾病の一次予防に大きく貢献してきた概念です。
一方,健康生成モデルとは,アントノフスキーという医療社会学者によって提唱された概念です。健康生成モデルが提唱され支持されている背景として,疾病構造の変化により疾病生成モデルによるとらえ方だけでは,一次予防への取り組みが十分でないことが認識されています。健康生成モデルは,健康と健康破綻を連続的なものとしてとらえ,特にストレスが健康に与える影響について注目した概念です。また,人は健康を生成する内的資源と外的資源を持っていると考えられています。内的資源とは,ストレス状況下においても健康を維持することができる人の心的特徴で,感情を調整する役割があるとされています。健康生成に寄与する外的資源としては,ソーシャルサポートや社会文化的な要因などが見いだされています。私は,食行動などの健康行動が健康生成モデルにおいてどのように位置づけられるか仮説をたて検証することによって,健康増進に有効な要因について検討しています。そして,見いだされた要因が健康教育や健康政策において有効な知見として,活用されることを目指しています。
さらに,社会文化的要因と健康との関連を明らかにし社会的な枠組みが外的資源として人の健康にいかに影響するかについて調査するために,オーストリアの研究者とも健康生成モデルに基づいた文化比較研究に取り組んでいます。文化比較研究には,いろいろな難しさがあります。その一つが言葉の問題です。何気なく使っている言葉は文化を背負っています。そのため,共通の尺度を作ることは大変困難です。しかし,この難しさに向かい合うことで,自分の国の健康についてより知ることができると思います。
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